02.10 RCBS NEWS-2200

「上手くいったか?」
「ええ。上から下、下着までね。流行の着けるだけで綺麗になる下着だと強く薦めたら、渋々ながらも。良い娘。」

 立ち去る「遙」の後ろ姿を見ながら、俺はメイク室から顔を覗かせた女と話をしていた。藍原 遙。二ヶ月程前にうちの局に来て、プライムタイムのニュース番組を担当するや、大人気となった当局の看板キャスターだ。だが、突然現れて人気者となった彼女を妬む者もいる。

「良い娘、か。人気者なのに傲った所もなく、ホント、良い娘だな。」
「そうね。だから『むかつく』の。」
「…親友だと彼女は言っている様なのに、怖いねえ。」
「何?人の事どうこう言える様な輩?犯罪者の癖に。」
「共犯者に言われてもな。まあ、まだ未遂だが。」

 細工したカメラで狙えば、ほぼ透過出来る素材で作られた服を着た遙がスタジオに入って行く。やがて、いつもの様に放送が始まるだろう。いつもと変わらず、何も知らないスタッフ達により全国の視聴者に向けて。
 だが、俺には、特別な番組。

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